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「いま病院から連絡が入って、すぐ来て下さいって。容態が悪化したみたいで、これから個室に移すんだって。」
すがるような母親からの電話が入ったのは、お昼過ぎだった。時に8月6日。この時はまだ、まさかこの日が父の命日になろうとは思いもよらなかった。
そしてしばらくして、二度目の電話が入る。「看護婦さんから息子さんたちも呼んで下さいって話があったの。今から来れるかい…」
私はすぐに会社に事情を説明し、早退して父の入院先へと向かった。この時、時刻は16時過ぎ。この時ほど病院までの道程が長く感じられたことはなかった。
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