お父さん、よく頑張ったね

たどり着いた病室

　病院に到着し、扉を開けた。すでに連絡を受けていた弟と母が見え、その先に酸素マスクを付けた父が横たわっていた。苦しそうにしゃっくりをするような感じで呼吸を繰り返している。
　母が病院に到着した時は、まだ意識があったそうだ。しかし今はない。呼びかけても目は開かない。昨日見舞いに来た時は、手をぎゅっと強く握り返す力があった父であったが、今はただそこに横たわっているだけであった。
　血圧は上が80台を指していたが、心電図の波長はまだ安定していた。