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秀明は流れてくる汗を拭いて、春菜の目を真っ直ぐ見て言った。
「敦也さ、引っ越したんだよ。」
「終業式の次の日。あいつが中2の夏休みに引っ越すことは中学1年のときから決まってて、仲良いやつは何人か知ってたんだ。」
「俺、春菜と敦也は付き合ってるんだと思ってたからさ、敦也に『永瀬に何て告ったの?』って聞いたんだよね。そしたら『告ってないし、付き合ってない。』って言われて…。」
「敦也が春菜に『好き』とか『付き合おう』って言わなかった理由って、俺が思うだけだけど、敦也なりの優しさなんだと思う。」
「春菜がまだ誰とも付き合ったことないの知ってたから、あと2ヶ月でいなくなっちゃう自分が付き合うわけにいかないって思ったんじゃないかな?」
春菜の目から涙がぽろぽろ溢れた。
「敦也は春菜のこと本当に好きだったと思うよ…。」
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