第二章 中学2年

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春菜は終業式の日を思い出さずにはいられなかった。 春菜を真剣な顔で見つめる敦也の瞳。 春菜の両手を握らせて、その上から敦也がかぶせた手の温もり。 あの夜に、たった1度だけ呼ばれた「春菜…。」という敦也の声。 おでこにされたキス。 毎日一緒に帰っていた2人が、初めて手を繋いで帰ったあの日のことを…。 春菜は思い出してはまた涙を流していた。
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