第二章 中学2年

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新学期。 黒く日焼けした亀田先生が教室に入ってきた。 「おはよう!俺も焼けたけど、みんなも焼けたな~。」 「そうだ!長谷から学校宛てに手紙が届いたんだ! 知ってる人もいると思うけど、長谷は夏休み中に福岡へ引っ越した。 みんなには言わないで欲しいって頼まれてたから、引っ越すことは言わなかったんだ。 長谷は最後まで、いつも通りにみんなと過ごしたかったんじゃないのかなって先生は思うよ。 長谷からの手紙は後ろの黒板に貼っておくから、みんな見てくれな。」 春菜は敦也からの手紙を見ようとは思えなかった。 敦也の住所が記されているのが遠くからでも分かったが、なぜか手紙を書こうとも思えなかった。 由衣も春菜に気を使っているのか、敦也からの手紙を見に行かなかった。 秀明も手紙を見ようとはしなかった。
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