陽と優

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「居た!逃がさないわよ」 巫女の正装を着た美しい少女が叫ぶ。 そして、肩に掛けていた矢を一本取り出し、目標の敵に素早く放った。 「ぎゃあぁああ!!」 見事に矢が命中し、悪霊が不気味な叫び声を上げて、消え去る。 「ふぅ、仕事終了!」 天使の微笑みを見せる少女は、悪霊などとは無縁のような美しい容姿をしている。 彼女の名前は櫻井 優。櫻井神社の跡取りである。 「家主さーん、終わりました」 優の声を聞いて、家主が部屋の奥からやってきた。 「本当にありがとうございます!さすが優様!」 「いや、それほどで……」 「やばっ!これ、めちゃうま!!」 2人の会話を遮ってきた声に、優の目つきが変わったかと思うと、瞬時に彼女は声のする方向へ走った。 「ゆ、優様!?」
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