800人が本棚に入れています
本棚に追加
高度四千m。雲があちこちにある。
すると向こうの雲の切れ間に光る物が見えた。
中尉はバンクした。合図だ。いよいよ始まった。
無線はまだ使わない。傍受される危険があるからだ。
背面急降下に移る。敵まで千m。速度計が勢い良く左に回る。
一番機エリック中尉は最先頭のB26に狙いを定めた・・・。
俺は外側のB26を狙う。実戦は初めてだった。もし、敵が気づいて爆撃機が射ってきたら?と考えてしまう。
しかし(どの道、気づくんだ考えてもしょうがない。今はこいつを仕留めるだけだ。二人の仇をうつぞ!)と思った。
距離200m。狙いをつける。
150mで覚悟を決める。そして100m。コクピットの少し前を狙いレバーを引く。
ダダダ・・・と金属製の板を叩くような音。
20㍉と7・7㍉弾がコクピット付近に吸い込まれていく。
距離が縮む。俺の肝も縮む。左に操縦捍を倒しすぐに、右斜め手前に引く。
コントロールを失い右に傾いて行く敵の横をすり抜ける。
最初のコメントを投稿しよう!