新米戦闘機パイロットの受難

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俺はこの春、晴れて戦闘機パイロットになった。 と言ってもまだ一飛曹だが、同期生120人の中で戦闘機パイロットになったのは80人位。 後は艦上爆撃機か雷撃機だ・・・。戦闘機は人気が高い。 今日は配属が発表される日だ。海軍航空隊に入ったからには、空母戦闘機隊になるのが夢だった。 しかしその夢は次の瞬間に消えた・・・。教官は何と聞いた事も無い基地に俺と後二人を配属させやがった! 宿舎までの帰り道、後二人の同期「佐藤」と親善留学生の「ハル」と愚痴りながら歩いていた。 まず佐藤が 「ぜってー、あいつあん時の事根に持ってやがる!」 ハルも流暢な日本語で「それは、サトウが酒飲んで練習機で街中を低空飛行した挙句に着陸失敗したせいだと思うぞ?」確かにそうだった・・・。 佐藤は酒癖がかなり悪く、教官を殴ったりもした。 その度に俺達が止めに入っていたから恐らく面倒を見ろって事なんだろうな、と俺は思った。 不意に佐藤が「ところでアキ、お前今日暇か?」イヤな予感がする 「まさか、荷造り手伝ってとか言わないよな?」 「さすが!分かってんじゃん」と笑顔で答えた。 俺は「終わったら、速攻俺のも手伝えよ?」「了解、了解」と笑顔で答えた。ハルは苦笑していた。
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