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俺達は編隊を広げ、敵の攻撃に備えた。
敵は俺達の上をハゲワシのように旋回する。
俺達はそいつ等の動きをずっと見ていた。下手に動くと危険だ。
その瞬間、敵の指揮官帯を胴体に描いたヤツが動いた。
スキを見せたのは如月だ!
「如月回避しろ!」
「どわぁ!?やっべ!」
如月は、とっさに右に急横転し敵から離れた。
敵はそのまま俺達と同高度になった。
普通の空戦ならそのまま退避するはずだ。
どうやら撃墜するかガス欠になるまで続くらしい。
その時、敵編隊が横にサッと開いた。
一番機は俺に向かって来た!残りは列機に向かって行く!どうやら単機格闘戦に持ち込む気だ
「小隊各機へ!油断するな!敵はかなりの熟練者だ!」
「了解」
「やってやる!」一番機は俺とすれ違ってそのまま上昇旋回に入った。
戦闘機で真っ正面で向かいあいながら戦うヤツはただの素人だ。俺でも知ってる。
勿論敵も知ってる。
俺も右に操縦捍を倒し次に思いっきり引いた。
かなりのGが自分にかかって頭の血が足の方に行くのが分かる。
目の前が暗くなりかける。何とか左に敵を視認し、上昇をやめて若干の水平飛行に移る。
そして左旋回に入った。敵も左旋回に入った。
典型的な巴戦に入る。一周目は追いつけなかった。
敵は背面急降下に移る。「しまった!」思わず口に出る。
零戦では絶対に追いつけないのだ。
しかし、じっと飛んでいる訳にも行かない!やむなく、急降下し敵を追う。
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