第6章

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次第に夜も更けてきた為、翔はそろそろ帰宅しようと準備をする   愛の両親に挨拶し、翔は帰路につく   愛は見送りをした後自分の部屋に戻るが、翔が部屋に財布を忘れている事に気付いた   時を同じくして翔もまた財布を忘れている事に気付き、愛に電話で確認してからもう一度愛の家に向かう     到着した翔は 『助かったよ 折角だから良かったらご飯食べにいかない?』  すると満面の笑みで 『うん』 と答え、そそくさと準備を始めて徒歩にて出発する     愛の家の近所に行き付けの店があり2人は迷わずその店へと入る   注文も済ませ、2人はいつからか今日の両親への挨拶についての話になる   『今日は凄い緊張したよ』   とか 『許して貰えて良かった』 など、料理が到着しても話題は尽きなかった   何気に時計を見た翔は 『もうこんな時間 そろそろ戻ろうか』   と促し、店を後にする     帰り道もお互い将来の事を幸せそうに語りながら家の近くの十字路に差し掛かる   立ち止まった愛は 『翔は車止めてるし、見送りはここまででいいよ』   と言うが 『ちゃんと家まで送る』   と食い下がった   少し言い合いになったが結局十字路手前でお別れとなる   愛は 『帰りの運転気を付けてね』   と、翔に言うと軽く頷き手を振って愛を見送る     その十字路を左に曲がり数件先には彼女の家がある為、翔もそこまで心配はしていなかった     しかし… 別れて間もなく彼女が十字路に差し掛かると同時に物凄い音と悲鳴が閑静な住宅街に響く   丁度車に乗り込もうとした翔はその音に驚き、十字路の方を振り返る       すると其処には 無灯火の原付が一台と運転者と同乗者らしき2人組と愛が横たわっているではないか…   翔は近付いてその状況を確認するが錯乱状態に陥り、必死に愛の名前を叫んでいた   衝突音と叫び声を聞いた近所の住人が次々と姿を表す   其処には勿論愛の両親も居た     両親が直ぐに警察と救急車を呼び、原付2人組は警察へと連行され、愛と両親は病院へ行ってしまったのである…     翔はあまりの出来事に暫く呆然とその場に佇んで動く事が出来なかった
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