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「掛けなさい」
部長は命令形でいったが、キツイ言い方ではなかった。
むしろ、優しい言い方。
言われた通り座らせてもらうことにしよう。
部長は椅子に座ったまま、資料を卓上に置いて腕を組む。
ただの癖か何かだろうか。
威圧感は特に感じられない。
「春日君。キャット…
こと情報部においては『情報』とは非常に重要な物だ。
それは解るね?」
肯定の意味を込めて頷く。
「ならば、林くんの言いたいことも…
解るね?」
副部長の言いたいこと、か…
確かに、解らないでもない。
言ってることも間違ってはいないし。
注意しなければならない地位にいるのも確かだ。
…確実に嫌われてはいるが、その部分に関しての見解を飲み込み、俺は再び頷いた。
部長を直視できず、オレは少し俯き加減のまま。
「うん。
反省はしているみたいだし、これ以上この件についてとやかく言うつもりは僕はないんだ」
少しだけ、ほっとした。
部長は嘘を吐くタイプとは思えない。
「但し。
罰を二つ受けてもらうよ」
続いた言葉で身が震える。
二つも、か…
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