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~朝~
ルーシーが寝室で寝ているので俺はリビングで寝た。
首が痛い…だがルーシーが心配だ。
てかあいつ編入試験通ったのか?
まぁ……起こすか……
「お~い、起きて……!!!!」
「き……きゃあぁあぁぁぁ!!!!」
「わっ!!!!ごめん!!!!」
急いで扉を閉める。
驚いた。
まさか着替え中だったとは……じゃなくて!!!!
ルーシーの背中には大きな十字架が一つ彫られていた。
タトゥーのように装飾としての機能は全く無い、漆黒の十字架。
何かの儀式や刑罰を彷彿とさせる。
ルーシーの透き通るような白い肌のせいで異様に浮き上がって見えた。
ルーシーが寝室からセーラーにパーカーの姿で出てきた。
「……見ましたか?」
少し顔が怖い。いや…かなり怖い…
「あ…き…綺麗な肌だな……」
「…………」
「……すみません……」
今度は俺が謝ってる。当然か……
しかし…気になる……
「……その十字架は?」
「この背中については…その……」
「あ…ごめん…無理に言わなくても…」
「はい…」
触れてはいけない領域のようだ。
「……学校行くか?」
「はい。あと朝食を頼みます。それと今日の帰りに私の生活用品を揃えたいので買い物に付き合って下さい。校門で待ってますから。」
「はいはい。」
ルーシーはいつもの調子を取り戻したようだ。
よかった……
そして今日は合格発表か何かなのか?
「え~…今日からこのクラスの新しい仲間となるルーシーさんだ。」
無事編入試験に受かったようだが……こんなに早く学校へ編入出来るのか?
「よろしくお願いします。」
「じゃ、そこの席に座って。」
「はい。」
~HR終了後の休み時間~
ルーシーはクラスの女子の質問攻撃の標的になっている。そして男子はその会話を盗み聞きして情報収集をしているらしい。
「おい五十鈴!!あのルーシーって女の子。もしかして昨日お前と登校してたフードの女の子か!?」
大岳登場。
盗み聞きするために神経を研ぎ澄ませていた男子が反応した。
そして絶妙なタイミングでルーシーが俺の席へやってきた。やってきてしまった。
「間さん。」
女子も反応した。
「まさか同じクラスになれるとは思いませんでした。これで晩御飯の献立も楽に決められます。」
「ちょ…お前」
「私の名前はルーシーです!!名前で呼んで下さい!!」
何かが終わった気がする。
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