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月明かりと暗闇が入り混じり、まるでカーテンのようになっている。
「おい、聞いてんのか? ビビって声もでないのか?」
男の声に対する返事は──虚空を斬る何か。
男の服の裾がきれいに裂けた。
男がニヤリと笑う。その笑みは危険極まりない、底知れぬ笑い。
「よぉく、わかった。てめぇの返事がそれならオレ様の返事は──」
男がおもむろに右腕を突き出す。そして、静かに一言。
「──消し炭になれ」
瞬間、どこからともなく炎が生まれた。そして、その炎が虚空に向かって──いや、虚空のすぐ後ろにいる『何か』に向かって火柱のように放たれた。
轟音とともに盛大に炎がぶちまけられ、あたりを灰塵へと化す。
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