誘う。

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普通の人の形をしているのに、 近付いたり話し掛けると、次第にゼリーの様に透明に変化し、どろどろに溶けてしまうもの。   本来はもっと美しい者や、 遊んでくれた今にして思えば 人ではなかった方? もいるのだが(笑)   今回は、 子供ながらに 恐ろしかった話を…。   あたしは、死にかけてきた。 生まれてから 大きくなるまで、 何度もなんども…。   いつも、そこには。 行きたくない方向に誘う、 悪意意志のようなものがいた。   言葉を覚え、理解しはじめた頃だろうか。  悪意と名付けた異形の者が、 あたしを頻繁に 誘う様になった。   『生きているのは、 苦しいだろう?』   繰り返し、繰り返し 囁き続ける。   『生きているのは 辛いだろう…?』   『このまま、生き続けたって、いいことなんて。ないんだよ。』
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