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留置場にいる人の中で、大きい事件をおこしたり、共犯者がいてその共犯者がまだ捕まっていない者は、接見禁止というのをつけられる。
最初、セッケンキンシ?というのを聞いて、石鹸を使っちゃいけない人達なんだと思っていたが、接見禁止とは、面会や、シャバにいる人との手紙のやりとりを禁止するものだった。
そういう人達は、なぜか雑誌の購入も禁じられている。
多分、購入を許可すれば差し入れでの雑誌も許可しなければならなくなり、そうするとシャバから差し入れしてくる人が、雑誌に手紙を書いたり、暗号みたいなものを書いたりするおそれがあるからだと思う。
だから接見禁止のついた人達は、回りの人から借りて読むことしかできない。
俺が自分で購入した雑誌を読もうとした時、一つビックリしたことがあった。
雑誌を止めているホチキスのところに、ホチキスが外され、紐で止めてあったのだ。
俺が担当に聞いてみると、なにやら中にはホチキスをためて、自殺しょうと飲み込む人がいるらしい。
俺は最初、(そんな奴いるのかよ)と思ったが、よく考えてみれば、無期懲役や死刑になるかもしれない人もいるんだ、と考え直した。
そして、俺は今そういう人達と一緒に生活してるんだと思うと、自分の立場が少し実感できた。
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