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『おいっ!なんだよ?喋らねぇなら切るぞっ』
ケータイから怒り気味の赤西の声が聞こえる。
…………へ?
「早く喋んないと…時間もないし、赤西短気だから切っちゃうよ?」
亀梨がそっと耳打ちする。
「もし…も、し…?」
驚きからか声が震え途切れ途切れになりながらも声を発する。
『ンだよさっきから。かけろっつったりいきなりかけて来たり俺も忙しいんだからな!』
赤西は明らかに怒っていた。
つかかけろ…て誰が?
まさか亀梨が…?
亀梨をじっと見つめる。
バッチンと亀梨はウインクした。
そういうことか。
「んだよ?可愛い恋人ほったらかしてなにやってんの?」
にくったらしく言ってやった。
いつも一方通行なんか嫌だから。
真面目に聞いたらまた涙が出てくるから。
『うっせぇな、こっちも仕事だ。』
さっきまで怒ってた赤西も少しは悪いと思っているのか反省したように声が沈む。
「くくっ……」
我慢仕切れず声に出して笑ってしまう。
そしたらすぐに赤西が反応する。
『あ?なに笑ってんだてめぇ!!』
あ…今幸せだ。
こういうのでいいから…欲しい。
こんな小さな幸せでいいから……
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