―絶望―

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規律、気をつけ、礼― なにげない毎日。 何も変わらない毎日。 あたしはいつものように家に帰った。 「ただいまぁ」 いつもどうりに部屋に入った。 「ふーっ疲れたぁ明日は部活あるっけ…」 あたしがソファーから立ち上がろうとした。 その瞬間。 「痛っ!」 頭に激痛がはしった。 「痛い…痛い…なにこ…れ…」 後頭部が痛い。ズキズキする。頭を締めつけられるみたいに。 でもその痛みはすぐおさまった。 「何だったんだ…ろ…」 するとケータイが鳴った。 ピリリリリリッ! 「うわっ!…は、ハイもしもし…」 友達の亜理香(ありか)だった。 「もしもし?あ、リコ?あしたさぁ、カラオケ行かない?真希(まき)と隆二(りゅうじ)と…直君がいるんだけど♪?」 亜理香は“直君”の所だけ意味ありげな声で言った。 「ゴホン…行きます…」 少し照れ臭くて敬語になってしまった。 「決まりッ!じゃあ明日学校でね!」 電話が切れた。 「直君…かぁ」 あたしは直君が密かに好きだ。それを知っているのは、亜理香と真希だけだった。 「はぁ…」 あたしは大きなため息をついてベッドに寝っ転がった。 そして、そのままねてしまった。
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