―絶望―

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放課後。 あたしは亜理香と真希と門の前で待った。 「来た!遅~い!」 亜理香がカバンを振り回して、男子たちに押し付けた。 「これくらいは持ってよね!ほら!リコも真希も!」 男子たちは苦笑いでカバンを持ってくれた。 「リコ。ほら。カバン貸して。」 「えっ?」 直君がカバンを持ってくれたのだ。 (どうしよ!うれしィ!) 「ね!どこのカラオケ行くぅ?」 浮かれていると、亜理香が言った。 「う、歌パラとか…?」 控えめな真希が小さく言った。 「真希ちゃん萌~」 隆二がニコニコしながら真希を覗き込んで言った 「隆二!真希には彼氏がいるんだから!」 バシッと叩く音と亜理香のデカい声が響いた。 「亜理香!決めないと!歌パラでよくない?」 あたしが言うと、さんせーと直君と真希と隆二が手をあげた。 「よし!決まり!」 3人で思いっきり走り出した。 「あッ!待ってよ!あたしを置いてくなぁ~!」 また、亜理香のデカい声が響いた。
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