―絶望―

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え…? 何が?何で? 白血病? ふざけないで …嫌だ… 看護士さんの言った、 「白血病」といった言葉が頭の中でぐるぐると回る。 「…違う…違う…!」 何度も何度もつぶやいて布団を叩いた。 ポタッ 目から頬に一筋たれて手の甲に落ちた。 駄目…泣いたら認めたってことじゃない…泣いたら… 目から大粒の涙が溢れてきて目からこぼれた。 するとお母さんが入ってきてリコを抱きしめてくれた。 リコはその内泣き止んでかすれた声で聞いた。 「あたし…白血病だって。そうなんでしょ?」 お母さんはゆっくり 「ごめんね。」 と言うとただただ抱きしめてくれるだけだった。
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