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手にしたままの携帯を開き、ボタンを押す。
数は、3つ。
「もしもし…。
警察…ですか?
ぁの……‥‥」
声が、震える。
手も。
足も。
視界も。
「パト、カーを…一台、お願い・しま、す…」
腰が抜けて廊下にぺたん、と座り込む。
「場所は…ミス、クアパ…ト…‥さんま…ろ、ご…しつ…‥」
胃がムカムカする。
気持が悪い。
事務的に聞き返す声を聞き、返事をする。
「は…い、そぅ……です。
はい…‥、ぉねが…し、ます…‥」
プツッ。
通話を切る。
携帯が手の中から重力に誘導され、滑り落ちる。
カシャンっと、ストラップなどのプラスチック同士がぶつかりあう音が私しか居ない空間に響く。
他の部屋と。
普通の女子高生の部屋と違う1つのモノ。
それは。
鮮やかで。
鮮明で。
でも、ムラがある。
そんな、モノ。
違う、1つのモノ。
“それ”は…。
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