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春、桜が満開の中、桜咲学園第二寮にも新入生がやってきた。 男女比は8:2。共学となって初めての女子生徒に沸き立つ彼女ナシの上級生。 「みなさん、桜咲学園第二寮へようこそ!寮長の芦屋瑞稀です、よろしく」 食堂に集まった新入生に挨拶する瑞稀を、ハラハラしながら見つめるのは佐野…顔にはだしてないが。 「これから各自の部屋を発表します!基本的に女子の部屋に男子は入室禁止、男子の部屋に女子の出入りは自由だけどね」 そして、瑞稀は発表していく。新入生たちの荷物はすでに部屋にあるらしい。その新入生の中には桜咲学園の創始者の孫、桜咲愛結夏(おうさかあゆか)もいた。 「これで入寮セレモニーはしまいや!各自部屋に散れ!芦屋の部屋は305号室やからなんかあったら行きぃやぁ!解散」 「お疲れ」 部屋で瑞稀はねぎらいの言葉をかけられ、ニコッと笑う 「ありがと、佐野」 「誰もお前が女って気付いてなかったな…明日覚悟しておけよ」 「うん!でも大丈夫!あたしは!でもびっくりしたね」 「ああ…」 二人は一ヶ月前、理事長に呼び出された時のことを思い出していた…
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