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ただ、毅然とした表情を崩さぬ目の前の黒スーツの男の雰囲気に圧倒された俺は、つい……
「あの~、今日ちょっと予定が入ってしまって……」
と、言ってしまった。
しかし、男は「参加を決めた時点で取り消しは不可能でございます。是非、私と共に来て頂きます」
と、俺に対し、威圧するような口調で言ってきた。
俺はその言葉に何か恐怖を感じ、本心から行きたくないと思い、無駄とわかりながらも再び言った。
「本当にどうにかなりませんか?」
「あなたに拒否権はありません。どうしてもと言うのであれば力ずくでもお連れします」
俺は完全な脅しであるその言葉、この男から発せられるオーラ、そして、この状況では、明らかにこれは誘拐でしかなくなっていて、逃げ場は無い。
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