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下手に抵抗したら何をされるかわからない。
という事から、俺は完全に諦めた。
「行きます」
「では、車に乗ってください」
車に乗る時気づいたが、この軽自動車は見た目に似合わずフルスモークであり、その事がより一層恐怖を高めた。
後部座席に乗りこみ、扉を閉められると外の景色は何も見えなくなった。
内面にもスモークが張られ、しかも、運転席とは、黒のアクリル板で仕切られていた。
俺は何気に冷静で、場所を知られたくないのだなと思った。
「では、出発します」
その言葉と共に、車は動き出した。
無駄だと思いながらも、常に丁寧な口調を崩さぬ黒服に安心し、黒服にどこに行くか聞いてみたが、案の定……
「それは、言えない決まりになっております」
と、返ってくるだけだった。
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