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「おい、死ぬだなんて聞いてないぞっ!!ふざけんなっ!!」
「だぁいじょうぶだって、2回は死ねるから♪
それより降りてくれない?」
最初はおどけた様な口調も、最後の言葉は半トーン程下がっていた。
それでも男は関係無しに声を張り上げ続ける。
「2回は死ねるて3回目に死ぬてことだろ!!いいからもう俺を帰しやがれ!!くそがきっ!!」
男は子供の胸倉を掴み、激しくグラグラと揺らしていた。
端から見れば暴力事件だが、この時ばかりは、子供が男の威圧に屈し、俺達を解放してくれるのを 祈った。
しかし、子供は怯える様子もなく、抵抗もせず、「帰せ」等何だの叫び続ける男にただ揺さぶられるばかりだった。
パァン!!
突然乾いた音がそこにこだました。
それと共に先程まで、あれ程声を荒たげ、胸倉を掴みながら揺さぶっていた男はパッタリと動きを止め、膝から崩れ落ちた。
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