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噴水広場のベンチから歩きだし、堀に掛かる吊橋を渡ろうとした時だった。俺達は奥の城門の両端に立つ、槍を持つ兵士2人に、先に進むことを止められた。
「見ない顔だな。旅人の様だが」「貴様等何者だ!」
現実はそんなに甘くなかった様だ。
だが、つい何となく息合ってるなあと、どうでもいいことを考えてしまった。
「怪しい者ではございません。城に入りたいのですが?」
拓海は兵士達にそう尋ねたが……
「現在、厳重警戒中故」「無理だ!」
と断られてしまった。しかし、厳重警戒中とは何か訳有りのようだが……
俺は思いきって訳を聞いてみることにした。
「何かあったんですか?」
すると、右側の兵士が……
「つい先日、王宮にある財宝を盗まんという不埒な輩から、犯行予告があってだな……それ故、入城は基本的に無理なのだ。だから、悪いが、今日のところは帰ってくれ」
すると、左側の兵士が……
「犯行予告を出した盗人が一介の盗人なら話は別だが、あのレナックだ……故にここまでの警戒を強いられているのだ」
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