第二十七蹴 動きだす悪夢

4/10
前へ
/329ページ
次へ
そして、選手達がフィールドに出揃った。   ゆっくり、ゆっくりスタンドの歓声は鳴り止んでいく。   フィールドの空気が、そうさせていた。   信哉はボールに足を乗せ、静かに深呼吸した。   『今日で、お前を蹴るのも最後だな…頼むぞ、今日だけ俺に力を貸してくれ。』  そう念じて、ストライカーは目を開いた。   目の前には、ゴールまでの道が幾重にも連なって見えた。   『いける。』   信哉は、そう確信した。
/329ページ

最初のコメントを投稿しよう!

531人が本棚に入れています
本棚に追加