第二十七蹴 動きだす悪夢

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和孝のスピードに乗ったドリブルは、相手にとって今までに体感したことがないものだった。   あっという間に、和孝はペナルティーエリアに侵入しようとしている。   しかし、龍之介は冷静だった。   「二人で行け!なかは俺一人で守る!」   「んだと!?」   信哉は、龍之介の台詞に噛み付いた。   龍之介はというと、ちらりと信哉を見るだけだった。  「二人がかりね…舐めんなよ!」   和孝の闘争心にも、火が点いたようだ。   二人のディフェンダーに向かっていかず、和孝は大きく迂回して、中央に切れ込んでいく。   相手ディフェンダーは、逃すまいと、必死についてくる。
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