第二十八蹴 ぶつかり合う意志

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『よし、今度は確実に決めてみせる!』   しかし、信哉は見てしまった。   龍之介の勝ち誇った微笑を。   そして、信哉は気付く。   目の前にゴールキーパーが迫っていたことに。   「なっ!?いきなり、こんな近くに出て……」   信哉のシュートは、ゴールキーパーを直撃して、転々とエンドラインを割っていった。   龍之介は、ゆっくりと立ち上がると、信哉を見た。   「君は、確かにすごい才能の持ち主だよ。雑誌も新聞も君の評価は高い。だけど君は少し、考えが浅い。」  「浅い?……そりゃあ、どういうことだよ?」   「嗅覚だけで、すべては決まらない。なぜなら、君にストライカーの嗅覚があるなら、僕にはストッパーの読みがあるからね。」
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