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『よし、今度は確実に決めてみせる!』
しかし、信哉は見てしまった。
龍之介の勝ち誇った微笑を。
そして、信哉は気付く。
目の前にゴールキーパーが迫っていたことに。
「なっ!?いきなり、こんな近くに出て……」
信哉のシュートは、ゴールキーパーを直撃して、転々とエンドラインを割っていった。
龍之介は、ゆっくりと立ち上がると、信哉を見た。
「君は、確かにすごい才能の持ち主だよ。雑誌も新聞も君の評価は高い。だけど君は少し、考えが浅い。」
「浅い?……そりゃあ、どういうことだよ?」
「嗅覚だけで、すべては決まらない。なぜなら、君にストライカーの嗅覚があるなら、僕にはストッパーの読みがあるからね。」
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