第二十九蹴 ブレイブ

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決戦開始のホイッスルが、フィールドに鳴り響いた。  「和孝!!」   元輝からのパスが、和孝に飛ばされた。   「任せろ!!」   和孝は、ボールをトラップする前から、次の動きを考えていた。   『いきなり、かましてやろうぜ!信哉!!』   しかし、相手チームもポジション修正し、和孝へのマークが厳しくなっていた。  『ちっ……、これもアイツの仕業かよ!?』   和孝のドリブルはスピードを失った。   「みんな!気を抜くな!いきなり仕掛けてくるかもしれないぞ!」   龍之介の指示が飛び、さらに和孝へのマークは厳しくなる。   だが、和孝は笑っていた。  まだまだ、和孝にとって楽しいサッカーはつづいているのだ。
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