第二十九蹴 ブレイブ

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信哉は、自然と体が動くのを感じた。   左サイドから駆け上がってきた和孝からボールを受け取り、すぐに右足を振り上げる。   そして、いつものように右足を思い切り、振り下ろした。   バシュッ!!!   聞き慣れた清々しい音が、フィールド場に鳴り響いた。   「決めたぜ…和孝。」   会場は割れんばかりの歓声に包まれた。   信哉と和孝、二人の素晴らしいプレーが、観客を興奮させ、相手の闘志を沈下させた。   「ついにやったか…」   寅は、うれしそうに微笑んだ。   少し離れたところで、同じように信哉に視線を送るものがいた。   「今年はアイツだな。」   スカウトである白井だ。
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