15人が本棚に入れています
本棚に追加
「くあーぁー……」
玉響が好き、ねぇ…
まあ、しょーがねーか。良い奴だし…
朝霧が立ち去った後、
「………」
入れ代わりに陰鬱な顔をした玉響が戻って来た。
「…おう?どーした、浮かない顔して」
「………」
返事もせず、椅子に座る。
「…おい?」
「……ぁ…ごめん、聞いてなかった」
うわのそらの様子の玉響。
「なんか、あったのか?」
「何でもないよ」
「…無理、すんなよ」
「……ごめん…」
「謝んなって」
「うん…」
「……なぁ、お前ってさぁ…」
不意に、大きな声が聞こえる。
「おい、聞いたかよ。不審者が入り込んだって!」
……不審者?
「ボロい格好でさ、何か呟いてるらしーぜ」
「うわ、頭イってんじゃねえの?」
「誰か捜してるみてーにさ、…せっちゃん、せっちゃんー!ってさ……」
ガタンッ
「…玉響?」
「九音…!」
「おいっ!玉響!?」
最初のコメントを投稿しよう!