兄という人

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俺には兄がいる。といっても母と義父の再婚。義父の連れ子が兄なのだが…で、なんとその兄は男が好きらしい。 いわゆるホモなんだって   で俺、佐々木多喜人(ササキタキト)は そんな兄、佐々木康成(ササキヤスナリ)にすかれてしまった   「兄ちゃん、俺を抱きしめたまま寝ないで」   「何でだよ。いいじゃねぇか減るもんじゃないし、スキンシップだスキンシップ」   「一体どんなスキンシップがとりたいのさ。朝起きたら重いの」   「じゃぁ俺痩せるわ」   「そーゆー問題じゃなくて!」   だめだ 兄ちゃんと話をしても 解決にはいたらない だが………いやがりながらも 満更でもない自分がいる いつのまにか兄の毒にやられ 兄が好きになってた   「俺…多喜人抱きしめてないと死ぬ」   「意味不明な嘘をつかないの」   「大マジ」   「はいはい」   抱きしめられて匂う兄の煙草の匂い 今はもう慣れてしまった 最初は嫌だったけど   「あのさ兄ちゃん」   「ん」   「抱きしめてもいいから夜這いはやめて?」   「多喜人に夜這いしないと死ぬ」   「抱きしめたらだめにするよ」   「わかりました。夜這いやめます」   「ん」   「キスだけはフリーで」   チュ   おわり
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