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話が違う……
奴は女に溺れるただのナンパ野郎になったはずだ……
そう聞いたのに……
なのにこの強さは何だ!
「ん~、な~んか……デジャブ感じるな。この光景……」
怯える不良の前に立ちはだかっている、一人の男。
この男一人に、十五人いた仲間が一瞬にして十人になり、八人、六人と二人ずつ潰されていき、最後の二人になって俺だけが生き残った。
「お前……俺をたった十五人でやろうなんてなめたまねしやがって……」
「ひぃぃ!」
「助かりたいか?」
怯えて後退る俺に、男は一つの問いを投げてきた。
俺は全力で頷いた。
助かるためには、頷くしかなかった。
頷かなかったら、男は俺を再起不能にするだろう。
今の俺は、この男に対抗することなど、できなかった。
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