狂人再臨

2/3
891人が本棚に入れています
本棚に追加
/223ページ
話が違う…… 奴は女に溺れるただのナンパ野郎になったはずだ…… そう聞いたのに…… なのにこの強さは何だ! 「ん~、な~んか……デジャブ感じるな。この光景……」 怯える不良の前に立ちはだかっている、一人の男。 この男一人に、十五人いた仲間が一瞬にして十人になり、八人、六人と二人ずつ潰されていき、最後の二人になって俺だけが生き残った。 「お前……俺をたった十五人でやろうなんてなめたまねしやがって……」 「ひぃぃ!」 「助かりたいか?」 怯えて後退る俺に、男は一つの問いを投げてきた。 俺は全力で頷いた。 助かるためには、頷くしかなかった。 頷かなかったら、男は俺を再起不能にするだろう。 今の俺は、この男に対抗することなど、できなかった。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!