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「よっ砂幻」
「あぁ」
健吾が元気よく朝の挨拶をしてきた。
春休みも明け、二年生となった砂幻達。
「お前小物潰しも程々にしとけよ? 小物は潰しても潰してもすぐ湧き出てくるからな」
「俺は釣りをしているようなもんだ。自分を餌にしてな」
「釣れるのはブルーギルばっかかだろ?」
ブルーギルとは釣りをすると無駄によく釣れる魚だ。
「まぁな。雑魚ばっかりだ」
「しっかし、お前が餌っつうのはブルーギルには豪華すぎねえか?」
「釣りっつうのは何が釣れるかわからねえだろ? それに中くらいの獲物は釣れた」
「なんだ? 二百人連れて来いとか脅したのか?」
「当たり」
「まったくてめえは……」
砂幻の相変わらずの滅茶苦茶さに、健吾は呆れながらため息をついた。
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