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砂幻は高本の袖を掴み、恐ろしい速さで高本の奥襟を掴んだ。
そして圧倒的な力で引き寄せ、片足を刈った。
大外刈りだ。
ずだぁんと派手な音が柔道場に鳴り響いた。
「一本! それまで!」
呆気にとられている他の部員を気にせずに、柳生は砂幻の勝利を宣言した。
再び線の前に立ち、線の後ろに下がって一礼した後、試合場を出て一礼した。
「流石だな」
「当たり前だ」
俺は砂幻と腕を打ち合わせた。
「まさか組み付きの大外使ってくるとはな~恐れ入った。で……準備してた奴なんだが」
「何かあったのか?」
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