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「実は高本だったんだよ……」
「はぁ?」
「あいつぶっちゃけ弱そうに見えただろ?」
「最初はな」
「あいつはこれから強くなる。だがここぞという時の勇気がない」
「で、俺を使ったわけか」
「お前なら、荒療治だが治ると思ってな」
「やれやれ。まんまと利用されたわけか……」
「まぁそう言うな。ちょっと待ってろ」
柳生は部室に入り、鞄を探り始めた。
「礼と言っちゃあ何だが、もらってくれ」
渡されたのはプールの招待券。
「おぉ! 最近できた‘水の都’の招待券じゃねえか!」
「いいのか?」
「あぁ。俺は色々と忙しいしな。彼女と一緒に行ってこい」
「……恩に着る」
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