1章:サッカー部の彼。

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「…ちょっと。」 しおりを抱えて、動き出そうとした瞬間…誰かの呼び止める声と同時に、あたしの右腕を後ろからつかまれた…。 「え!?」 (何で…???) 振り向くとそこには、制服姿の…さっきシュートを放っていたサッカー部の彼が立っていた。 近くで見ると、めちゃくちゃカッコいいんだな…と思いながら、 あたしは一礼して立ち去ろうとした。 「………!!!」 その男の子は、ぐいっと引き寄せ、後ろからあたしを抱きしめようとしてきて…。 驚いたあたしは、咄嗟に手を振り払おうとして、整えてあったはずのしおりを床に落としてしまった。 「何するの…!!?は、離して!」 逃げようとすると、男の子は掴む手に一段と力を入れた。 「…さっき見てたよね?」 「え……?」 確かに見てたのは間違いないよね…けど…。 「お前っ、 もしかして俺の事好きなの…?」 へ…!?
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