清算

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栄光学院と剛南の試合が終わり、次は桐瓔商業と剛南の試合が始まる。 まさに今日一番の注目カードなので、次郎たちもグラウンドの外で観戦。 一体どんな引き締まった試合になるのか、目が離せない試合になると思われたが、初回から剛南高校のエースピッチャーが大乱調。 コントロールが思うように定まらず、フォアボール連発でランナーを溜め、置きにいった球を痛打されるという最悪パターンで初回から6失点。 その後は完全に桐瓔商業ペースとなり、一方的な展開で試合が進んでいく。 七回が終わって12ー1と桐瓔商業が圧倒的リードしており、ワンサイドゲームとなってしまっている。 ちなみにこんな点差ではあるが、練習試合なのでコールドはなく九回までしっかり行う。 「・・・なんか一方的でつまんねぇな」 江夏は欠伸を噛み殺しながらボソリと呟く。 「初回のアレで決まったもんね。その流れをちゃんと守り抜いてる桐瓔商業もさすがだけど」 城之内はスコアボードの一回裏の6の数字を見ながら言う。 するとここまで黙って見ていた西本が、どこかへ向かって動き出す。 「おい龍、どこいくんだよ?」 それに気づいた江夏が、西本に向かって尋ねる。 「次の試合に備えて、そろそろアップしとこうと思って。その前にトイレに」 西本はトイレがある方を指差しながら質問に答えた。 「なら俺も行っておくかな。一緒に行こうぜ」 試合を観てても退屈なので、江夏は抜け出すチャンスだと思い、西本についていくことを決める。 「あ、俺も」 それに便乗するように城之内も一緒に向かう。 「ちょっ、俺だけ置いてくな!」 三人が向かったので、亀田も慌てて追い掛ける。 結局連れションという形で、仲良し四人組はトイレに向かっていった。
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