野球部の行く末

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次の日、本日は土曜日ということで授業は半日なので、次郎達は午後一から練習に繰り出す。 あまり連日しつこく説得にいっても効果はないので、今日は練習だけに集中することに。 練習前のグラウンドに、新たなメンバーが現れる。 「今日から俺も練習に参加します!よろしくお願いします!」 礼儀正しくピシッと背筋を伸ばし、挨拶をしてグラウンドに入ってきたのは野球部唯一の一年生である定岡だ。 「さだ・・・おか?」 久しぶりに見たその姿に次郎は一瞬誰か分からず、曖昧な感じで名前を呼ぶ。 定岡は家から通って寮には入っておらず、次郎達と違って食堂を利用することもないので、野球部の活動がなければ学年の違う定岡と次郎は会う機会などないのだ。 先に二年生の説得を最優先に考えていた次郎は、定岡の存在は頭の片隅にあったが顔はうっすらと忘れかけていた。 「今日の朝、俺が話してきた。どっちか聞いたら、アイツも本気で甲子園目指すってさ。だから今日から練習に参加してもらおうと俺が呼んだんだ」 定岡を見て固まってる次郎と木田に、西本が経緯を簡潔に説明する。 「俺は西本先輩についていくだけです!西本先輩が目指すというなら、俺も目指すだけっス!」 聞いてもないのに、定岡は目指す理由を話す。 別に定岡自身が甲子園に興味があるわけでなく、尊敬する西本が目指すと言ったから定岡もそういう決断をしただけなのだ。 「そうか・・・。まあ、よろしくな」 理由が理由なので素直に喜べない次郎だが、なにはともあれ四人目の同志なので、受け入れ定岡と握手を交わす。 以前村山から言われた"口説くなら影響力のある奴を落とせ"という言葉。 西本とという影響力のある人物を味方にした効果が現れたようだ。
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