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『‥ちょっと待って下さい!一番隊とは言えど私は只の組長に過ぎません。りょうさんを私の小姓になんてとんでもありませんよ‥!』
『しかしなァ,総司。俺と近藤さんがそれが一番良いだろうって考えてのことなんだぞ?俺がそいつの入隊を許しただけでもありがたいと思え』
『ですが‥っ‥』
土方にそう言われると,総司はそれ以上の言葉が出てこなかった。
『大丈夫だ,総司。今屯所に居る他の幹部にも了解は得ておる。お前が色々言ってると,綺咲くんが左之辺りに連れてかれるぞ?』
近藤は冗談っぽくカラカラと笑って言ったが,りょうの顔は強張った。
(左之って最初のあの変な人か‥‥;;;)
『‥山南さんは?』
『江戸での新隊士募集に今日行ってもらったところだ。暫くは帰るまい。だが,山南さんは大賛成してくれると思うぞ?』
こちら(京都)に帰ってからゆっくり話をしておこう,と近藤が総司に微笑みかけると,暫く黙って考えた後についに総司は折れた。
『‥分かりましたよ。では,私が責任を持ってりょうさんの指導にあたります』
渋々頷き,小さなため息をついた。近藤は満足そうだ。
『あの-‥‥;』
お話中申し訳ありませんが‥と,伺うようにして首を傾げた。
『‥‥“こしょう”とはどういった仕事なんでしょうか‥』
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