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出産当日~深夜2~
「今ねぇ~頭が見えてるの!凄いね!もう少しだから頑張ろうね!!」
助産婦さんの励ましに、頷いて答える妻。
時間は0:10。
激しい痛みに耐える為に、妻は横にあるバーを強く握ている。
僕「頑張れ~頑張れ~…」
妻「うぅん…!!!!ん~!!!!!!!」
休む。力む。休む。力む。
やることはその繰り返しだ。
何回繰り返しただろう?
時計は0:30になる。
妻がこんなに苦しんでいるのに、時間が進むのが遅く感じる。
妻「はぁ…はぁ…」
助産婦さんが…
「もう少しだよ!頑張って!もう一度いくよぉ~!はい!!力んで!!」
妻「んんん~!!!!!あぁ!!」
妻は叫んだと同時に、足元の方へ右手を延ばした。
僕は、その手の先を見た。
「………ぁぁぁ…」
「……あぁぁぁぁ!!」
僕「う…産まれた!!産まれたよ!!!!!!」
分娩室に響き渡る我が子の泣き声が、妻と僕に幸せを与えてくれる。
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