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「それで?ママは何て言ってたんだい?」
象のオジサンは真面目な顔しながら、カラスの女の子に聞きました。
「斎藤さんは救急車?だっけ?乗る時に象のオジサンの事を心配してたってさ。婆ちゃんがママに言ってたってよ」
鳩の娘はそれを聞いて嬉しくてたまらなくなりました。
「だから言ったでしょ?ね?お姉さんありがとう!」
「別にー、私もオジサンが好きだから泣かれると辛いってゆーかぁ」
カラスの女の子は照れて羽をガシガシと乱暴に突いています。
「そうか、そうか、こんなにおチビさん達に思われてオジサンは幸せだ」
象のオジサンはまた涙が出そうなのか、必死に鼻をすすっています。
「んじゃ、私帰るねー」
そう言いながら、カラスの女の子は飛び立ちました。
「あっそうそう、悪口言ってた奴らは婆ちゃんの嘴ででかい傷何ヶ所か作ったってさー」
そう叫びながら。
鳩の娘と象のオジサンは顔を見合わせて、またくすっと笑いました。
「笑っちゃ悪いかな?みんな斎藤さんが大好きでオジサンに冷たくなっちゃっただけだからなぁ・・・みんなに罪はねえからなぁ」
象のオジサンはボソッと言うと、また空を見上げました
それは素敵な笑顔で。
「オジサン、良かったね!わたしもオジサン大好きだよ!」
「ありがとうおチビさん、おっちょうどお母さんが帰ってきたみたいだな」
「本当だ!お母さーん」
母鳩は娘の横にストンと止まると、娘に聞きました。
「何か良い事あったの?嬉しそうだね」
「うん!でも、内緒なんだ!ね、オジサン?」
「そうだなぁ、オジサンとおチビさんとの内緒話だな」
象のオジサンもとても嬉しそうに言いました。
「じゃあ、そろそろ行きましょうか?」
と母鳩が
「うん!またね、オジサン!」
と鳩の娘が返事をして二人仲良く、空に飛び立ちました。
次の動物の元に。
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