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美しい夜、月はまるで何かを訴えるかのように爛々と光輝いていた。
そこを歩く2つの影。
一つは人、腰のあたりまである長く美しい髪をもつ十代半ば程と思われる少女。
もう一つはもっと小さい。ピンと伸ばした尻尾、可愛らしい耳、体中が黒い毛に覆われた愛くるしい姿、それとは裏腹に月のように金色に輝く意志の強そうな瞳-- そうそれは紛れもない黒猫だった。
「ねぇ~ほんとにこの辺にいるの?」と、少女は黒猫に話しかける。
「あぁ、間違いない。確かにこのあたりだ」
と黒猫が応じる。
一瞬の間をおいてこう呟いた。
「私のパートナーは---」と
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