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「やっと来たか、始めるぞ要」。
「分かった、始めよう」。
二人は道場の中心に行き一礼をする。
『お願いします』
と、言った後両手を前に出し構えを取る。
先に動いたのは要だった。
「シッ!!」
かけ声と共に次春の左脇腹に中断蹴りを繰り出す。
それを防いだ次春は要の顔面に拳を打ち込むが、その一撃は額を掠めるだけにとどまる。要は
「ヤァァァ!!」
という掛け声と共に腹部に回し蹴りを喰らわせた。
次春が一瞬よろめいた隙を狙い腕を掴み投げようとした時だった
「うわっ!!」
グンッと体が持ち上げられ気づいた時には床に突っ伏していた。
「はーっはっはっは!まだまだ甘いな要!」。
「いってぇぇ…」
「ホレさっさと立て、もう一回やるぞ」
と意地の悪そうな笑みを浮かべながら次春は言った
「上等だジジイ…後で泣くんじゃねぇぞ…」。
「そりゃこっちのセリフじゃバカ孫さっさとかかってこんか」。
その後稽古は一時間みっちりとおこなわれだ。
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