日常

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「行ってきます」と二人に声をかけた後家をでる。 要の通っている中学校は要の家から歩いて十分程で着く場所にあるなので要は毎朝歩いて学校へ通っている。 彼はのんびりと歩くのが好きなのだ。 「よぉ、今日も眠そうだな要また師匠と稽古してきたのか」 と笑いながら話かけてくる。 「あぁ信人おはよう、そうなんだよ…懲りもせずに毎朝毎朝…」 彼は信人(のぶひと)幼少の頃から要の道場に通っている要の親友だ。 「いーじゃないのそのおかげで学校じゃ敵無しだしこの辺じゃ絡んでくる不良どもいないしさ良いことづくめじゃんいやーあなた様が羨ましい」とからかうように言ってきた。 「じゃあお前来いよジジイが呼んでたぞ」 「ヤだよそんな朝早く馬鹿だろお前」 「てめぇ…次不良共に絡まれた時助けてやんねえかんな」 「あん、カナちゃん怒っちゃイヤン」 「きめぇ」 二人がこんな言い合い(漫才?)を繰り広げていると後ろから声が聞こえた。 「ほらぁアンタ達さっさと歩かないと学校遅刻するわよ」 「なんだ、真琴か」 「何だとはなによ要、アンタ達がさっさと歩かないのが悪いんでしょ」 「なーに言ってんのコレが俺とカナちゃんのペースなの、二人の仲を邪魔しないで頂戴!」 要は「アホかキモいんだよ」という声と共に信人の脳天に手刀をくらわせる ぐぉぉと唸りながらしゃがみこみ頭を抑えてうずくまる信人に「まったく馬鹿なんだから」と呆れているのが、三人の中の紅一点、園田真琴である。 割と顔立ちも整のっていてショートヘアーのよく似合う少女なのだが その仕切りたがりな性格からか男子には人気があるとは言えない人だった。 と、その時だった。《キーンコーンカーンコーン》という聞き慣れた独特の音色が聞こえてきた。 「ヤベ、なぁ信人…」 「皆まで言うな要、俺は分かっているぞ」と焦っている要を尻目に頷きながら答えた 「なぁに納得してんの!!走るわよ!!!」 真琴の一言と共に皆一斉に走り出した。 結局三人は全力疾走で学校へと向かうことになったのだった。
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