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「いやーボクちゃん今日もいっぱい勉強しちゃったなー」
「何言ってんだよ、お前ほとんどねてただろうが」
と要が調子に乗っている信人に冷めたツッコミをかます
「ホントよアンタどうすんの?今年の高校受験」
「それなら心配ご無用でござんすオイラ部活動推薦貰ってるもんね~」
そう、こう見えても信人は空手部に所属しており国大出場経験もある強者なのだ
まぁ要ほうが実力は上なのだが…
「だから夏休みも遊び放題なのさ~」
小躍りしながらそう言っている信人を無視して真琴は要に話かけた。
「そういえば要はどうするの?」
一瞬の戸惑いを見せた後こう呟いた。
「わかんねぇ、俺別に入れるんだったらどこでもいいしさ、それに高校入らないっていう手もあるしな」
そっか、と真琴は呟いた。
「真琴、お前はどうすんだ?」
と要は問い掛ける。
「私は最初の目標通りに真羅高校に入るよ」真羅高校とは国内でも超難関高に分類される学校だ。
「ふ~ん、じゃあ夏休み大変なんだな」
「そ~なのよ…冬休みに至ってはきっと寝れない日もあるだろうし」
ハァとため息をつきながら呟いた。
「なぁ…要、あの人なんか変じゃね?」
不意に信人が歩みを止め問いかけた。
「別に…何がおかしいんだよ」
「そうよ失礼じゃない」
数メートル先にいる四十代半ば程に見える男性は一見するとただのサラリーマンにしか見えない。
しかし動作がおかしいのだ。何も無い方向に向かってブツブツと何かを呟いてる
もう一つおかしいところと言えばその服装、やたら黒い染みだらけのスーツを着ている。
あの体中についた黒い染み---まさか
「血…か?」
あんなに体中に血を浴びている人間なんてまともな訳が無い。
三人が逃げようとした時だった男が話かけてきた。
「カナメ…ミヤモトカナメ、カ?」
要は後ずさりしながら答える
「そ、そうだ俺が要だ」
男は一瞬動きを止めると邪悪な笑みを浮かべると大声で
「ヤット…ミツケタゾ!!!」と叫んだ。
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