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もう少しで頂点になる時だった…
「こっち向いて❗」
美砂の言葉に振り向いた…
やがて、ジェットコースターは頂点に達し…
そして、ゆっくり加速しだした…
「恐くないおまじない…してあげる💓」
次の瞬間、美砂が唇を寄せてきた…
一瞬、唇が触れた…
突然の出来事でパニくった…
だが、もう一度、唇をつけると、ど引き合う磁石のように引っ付いた…
どんどん加速する中を夢中でキスした…
いや、キスをし続けた…
不思議な感覚だった…
まわりの景色が流れるように変わり…
どこにいるのか…
時間の感覚さえ消えていった…
「コホン…お客さん…お客さん…」
肩を軽く叩かれて…
その声に気付いた…
いつの間にか駅に着いていたようだ…
「あっ、すいません。」
恥ずかしかった…
あわてて顔を離した時に唾液が糸を引いたからだ…
逃げるようにその場を去った…
下に降りて少し歩いた後、木陰のベンチに座った…
降りてからずっと美砂は喋らない…
ベンチに座っても、うつむいたままだ…
「まだ、体がジンジンするね…」
「…」
美砂は何も答えなかった…
「その…なんて言うか…初めてだったんだ…」
「…」
美砂はうつむいたままだった…
「忘れられないファーストキスの思い出ありがとう…」
もちろん初めてじゃなかったが…
紗耶香とのキスは忘れさりたい思い出だったから…
顔を上げた美砂は目にいっぱい涙を溜めていた…
「ともっち…ともっち大好きだよ…」
「うん。」
「美砂の事、好き?」
「うん。」
「美砂だけを見てくれる?」
「うん。」
「もう一度キスして…」
友春は、唇を突き出し…
瞼を閉じる美砂に唇を重ねた…
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