恋の飛行船

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「パパ、そこまでは可哀想だから、このままずっと使ってあげて…このままね…」 その時はなんてやさしい人だと思ったけれど… たぶん…裏で紗耶香が手を引いてるのか、女子社員にはヒソヒソ、ネチネチやられている… 「あっ、その人に近付いたらセクハラされるわよ。前歴があるからね…」 「あっ❗来た💦💦逃げなきゃ🏃 妊娠したら困るもんね🏥 怖い怖い😱」 嘲(あざけ)り笑いながら去ってゆく女子社員に、屈辱を覚えた… その中でも一番嫌なのが嫌悪感丸出しの、人を見下した視線だった… 無言の圧力というか… つくづく女は陰湿だと思った… 耐えかねた俺は… 「木下…あのメール、何だったんだろう…」 しばらく木下は考えた後… 「その…ブラックメールが流行っただろう…その…お前のメールの相手…山田だったんだ…」 友春はあまりのショックに目の前が暗くなり座り込んだ… (あのメールが山田だったなんて…) ✉あなたの事が知りたい❤ って、メールに自分の秘密をすべて話したのだ… つまり山田は友春の秘密をすべて握っているのだ… 「井…田…木…こんな事に…なったけど…陰ながら…応援するから…」 木下の言葉が空しかった… あれから二年以上たったけど風当たりは強くなるばかりだった… (これじゃあ、イジメだよ…学生だったら死んでるよ…)
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