恋に、墜ちる。

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7時39分 対岸の彼はバスに乗る。 実花が、すがるようにバスを目で追ってる。 あたしは、実花の脇で 緊張感から解き放たれてうつ向き 7時41分 あたし達はバスに乗る。 いつも、実花が先に乗り込み、後ろから、あたしが。 実花の小さくて綺麗な後ろ姿に いつもあたしは切なくなる。 ねぇ、実花 あたしじゃ、駄目なの? あたしは 決して口に出せない想いを バスに乗る数秒、 彼女にぶつける。 なんて切ない恋だろう。 例えば対岸の彼でなくとも いつか実花の隣には あたしじゃなくて 今は知らない誰かがいて あたしへの友情とは違う 深い愛情をその人に 惜し気もなく注ぐのだろう。 そんなとき実花は あたしに悩みやノロケや 聞くに耐えない話をするのだ。 それが分かっていても あたしは実花の隣にいるために 永遠の片想いを選ぶだろう。 どんなにツラくても 実花の隣にいられるのなら。
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