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昼に見える 蒼い海とは違って
夜の海は 漆黒だった
色として判別出来るのは
打ちあがってくる波の白さだけ
空の色を反射している海
たった数時間で 印象が違って見える
今ここで あたしが船から落ちても
海に沈む時に成る音だけ
今ここで あたしが橋から落ちても
月明かりに照らされる陰が 消えるだけ
浸透していく
リンクしていく
還っていく
繋がっていく
消えていく
同化していく 私の躰
朝がくれば
見えない闇さえ 晒されてしまう
昼がくれば
煌めく光に 恋焦がれてしまう
だから夜に
漆黒の海に
小さな光の粒が瞬いているだけの夜の海で
私は この躰も この心も
この海と一緒に なってゆきたい
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